新海誠という監督さん含め、前知識は一切ありませんでした。ただ、Twitterのトレンドワードに挙がっていたというだけで、NHK BSプレミアムでやっていたのを録画して観てしまったのです。
なんだこの切なさメガトン級の爆弾は。今劇場でやっているといった作品ではないので、ほんのちょっとだけネタバレ気味で行きますが、本作は「これまでの人生で、最も好きだった人と一緒にいることができなかった者達へのレクイエム」ですわ。ここまで思春期のお膳立てが完璧、且つその後の凋落ぶりがはっきりしている例は恐らくレアなんだと思いますが、ともあれ人を本気で好きになったことのある者にとっては、程度の差こそあれ古傷が疼くような内容であることは間違いないでしょう。
でもね、タカキ君のバカラのガラス細工のような孤高且つ繊細なメンタリティを持ってる人というのは、そうはいないと思います。あそこまで一途で、どうして添い遂げられないのか、適当な相手で妥協してしまうのか、正直そこが不自然に感じられます。まぁね、いるよこういうヤツ。自分がどれだけイケていて、恵まれているかに無自覚なの。ストイックでカッチョよく見えるんだけど、でも押しが弱くちゃどうしようもないのよ。なんで好きな女がいるのに突き進まずに、手近なところで妥協するわけ? 相手に失礼だろうが。お前が不幸なのはお前のせいだよ。でも、お前がブレてるせいで他人を不幸にしてるのはダメだろ。なんだよ3年付き合って縮まった距離が1cmって。3年なんて付き合ったら、過去にどんな美しい思い出があっても捨てるぞ。どんだけの理想持ってんねんて。
タカキ君は、本当に好きな女をモノに出来ないだけでなく、自分を好いてくれている女達を悉く不幸にする最悪のダメンズです。あ、イケメンへの僻みではありませんので。
(本レビューは、2016年4月に旧ブログに投稿されたものです)

