ZOOM “R8”

ZOOM "R8"

俗に言う「マルチトラックレコーダー」です。自分としては”俗に言う”のなら「ハードディスクレコーダー」だと思っていたのですが、HDRというのはここ10年くらいですっかり「テレビ番組を録画するもの」の呼称になってしまったようです。なので、MTRと呼ぶのがDTM業界的にも適切なんでしょうね。というか、メディアが カセットテープだった時代は、この「MTR」という略称こそが、呼称としてもっとも普及していたような気がします。

で、自分が初めて買ったMTRは、確かTASCAMの”PORTA05″という4トラックのブツで、もちろんメディアはカセットテープでした。通常A/B面それぞれでL/Rにアサインされるテープを、片方向再生にすることで4トラックにしてあったわけです。当然オーバーダビングするとなると、最初の2トラックを再生しながらリアルタイムで別パートを弾きつつ、それらを別の2トラックに録音する…という作業を繰り返していくことになるわけです。パート間の音量バランスやイコライジングなんかを間違えても、後戻りができないという、博打のような作業でした…。

で、そのカセットMTRが壊れたタイミングで世の中に現れてくれたのが、HDRです。つまり、記録メディアがハードディスクになったわけです。よって、オーバーダブをしても音質の劣化がありません。しかもトラック数が飛躍的に向上しまして、自分の場合はKORGの”D12″だったので12トラック。つまり最大12パート、全パートをステレオで録ったとしても6パートまではオーバーダブなしで録音できるわけです。これにより、曲作りの自由度は格段に上がりました。録音後のパート毎の編集機能も多彩だったこともあり、正直これを一生使っていたかったくらいなんですよね。しかし、いつか壊れるのが電気製品の宿命です。優に10年以上自分の曲作りを手厚くサポートしてくれたので、涙ながらにお礼をいってさよならです。

さて、そしてようやく本題です。D12が逝った当時はあまりDTMはやっていなかったんですが、しかしながらバンドでシーケンスを再生する必要に迫られていました。急に壊れたので予算もほとんどなかったんですが、とにかく機能を絞ってもいいのでMTRは確保せねばなりませんでした。既にKORGはMTRから手を引いていまして、選べるメーカとしてはTASCAMかZOOMのいずれかだったように記憶しています。結局、既にハンディレコーダー(バンドでの練習を一発録音する用途)で購入実績があったZOOMにし、一番安いモデルにしました。それが”R8″だったのです。

よい点としては、まずなによりコスパです。実勢で1.7万円程度。そしてコンパクトで超軽量(780g!!)。記録メディアはもはやHDDですらなく、なんとSDカードです。その点で、ちょっと手荒に扱ったとしてもそう簡単には壊れないだろうなと。使い方も非常に簡単ですし、エフェクトが充実しているところも評価できます。バンドでのシーケンス再生という用途では、最低限の機能は果たしてくれています。

一方で残念な点としては、やはりそれまでからのトラック減です。もちろん判っていて買ったので文句はないのですが、曲作りの際の制約がかなり大きいです。そこは割り切るしかありません。次に、トラックに対する編集機能が相当プアなことですね。D12でできた「カーブを指定してのきれいなフェードイン/アウト」とか、 「再生タイミングを任意分だけ前または後ろにずらす」 ことすらできないのです。トラックは「録ったが最後、基本的に何もできない」と考えた方がよいでしょう(なので、あとはトラック毎に音量とエフェクトだけ調整ってことです)。

正直、リズムマシン機能とか要らないので、その分編集機能を充実させてほしかったです。DTMをする人間がMTRに何を求めているのか、もうちょっと真摯に考えてほしかったなと(リズムまでこれで賄えてラッキー、というユーザもいるのかもしれませんが)。
まぁ、そもそもDTMを専用機でやっている時点で、自分が古いのかも知れないなとは思いますけどね。PCでやる気にならないんですよ、思いついたらすぐ録りたいので。と、いう割には最近DTMから遠ざかっており、せめてトラック数だけでも余裕があれば、思いついただけどんどんパート重ねていけたのになぁと。同社の”R16″にしておけばよかったのかも知れませんが、これだとバンドユースを考えると「荷物」になるなと。本気でDTMを再開したかったら、”R16″などを「専用機」として別途入手するのが自分の場合はいいのかも。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA