
もう少し「使いこなせてる感」が出てる写真を撮れなかったのか?とも思いますが、使いこなせているかはともかく、自分の創作意欲に十二分に応えてくれる機材なので、紹介したいと思います。
ここ数年ZOOM社のR8を使ってきましたが、やはり8トラックということで、自分のようにPCを使わずに多重録りしていくDTMerにとっては、自由度の制約に悩むことになりました(逆に、制約があるからこそシンプルにまとめようというコンセプトで曲作りができるというメリットはありましたが…)。そこでやはり、純粋にトラック数を増やそうと。そうなると、現在市場にある機種だと8トラックの上には16トラックがありますが、ヘンに妥協してまた「トラックが足りない…」などとなるのはあまりに愚かですので、24トラックにしておこうと。
で、選択肢ですが、自分の初代MTRだった名機D12を作っていたKORGなど、専用機市場から撤退してしまったメーカも多く、今は実質ZOOMとTASCAM、BOSSしかなくなってしまったのではないかと(この世界の今後が非常に心配です…)。よって、その中からのチョイスということになったのですが、実はコスパという意味では3社でそれほど差はないと思います(音楽用機材って、ほんっとにこの四半世紀で性能は上がるは価格はダダ下がりだわで、この世代でよかったと心底思いますもん)。
となると、何で比べるの?ということになります。自分の場合ZOOMのR24かTASCAMの本機かということになったのですが、価格面では実は本機の方がちょっとアドバンテージだったものの、悩んだのがサイズと重量。非常にコンパクトなZOOM機と比べ、本機はかなり大きく、しかも6kg超。これまでR8のオモチャみたいな筐体に慣れていた身としては、さすがにためらわざるをえません。しかし、別にバンド練の度にスタジオに持っていくというブツでもありませんしね(まぁ、セルフレコーディングしたけりゃ持っていくこともあるかも知れませんが)。
で、決め手となったのは編集機能です。専用機である以上、PCでの編集はできないわけで、そうなると本体に準備されている機能がどれくらい充実しているかなのですが、実はこれは本機が優れていたというわけではないんです。逆で、ZOOMのRシリーズがあまりにプアなんですよ、残念ながら。例えばですが、バンドでシーケンスを使っていた時に欲しかったのが、カットなり挿入なりの機能。最初にドンカマを録っておき、後からシーケンスパートを加える際にその開始タイミングがズレた場合に、コンマ何秒単位でズラしたいんですが、そういう編集が一切できないんです(まぁそもそも、どうしてドンカマとシーケンスを同時に再生しないの?という素朴な疑問を持たれたあなたは正しいですが、ロートルならではの事情があるんです…)。
一方で本機は、一通りの基本的な編集機能(コピペ、インサート、無音挿入、部分削除/消去、トラック複製/削除など)はできます。欲をいえば、KORG機にあったリバース(逆再生)や、フェードイン/アウトも実装して欲しかったのですが、なんでないんかなぁ…。ともあれ、正直編集という概念自体を持っていないZOOM機に比べ、まだ基本的な機能を持った本機の方が多少マシ、ということで、サイズや重さには目をつぶって購入しました。
で、商品が到着して早速曲作りを開始してみました。最初こそちょっとだけボタンの多さなどに戸惑うことはありますが、慣れてしまえばどうということはありません。録音しようとするトラックに対しアサインボタンで入力端子(A~H)を決定し、セレクトボタンで当該トラックを指定したらフェーダーなりトリムなりで入力ボリューム、EQは専用ダイヤルで決めて、クリックが必要ならメトロノームを設定後、Recボタンを押せばもういきなりレコーディング開始。これを繰り返していくだけで、どんどん多重録音ができます。
マスタリング時のEQ、コンプorリミッターは必要十分として、やはりクオリティに影響しているのはノーマライズ機能なのかなと。これはR8にはありませんでした。要は、曲全体での音圧を平均化してくれるようなんですが、これがコンプ/リミッターとどうメカニズムが違うのかはよく解りません。ともあれ、ノーマライズを最後に施すだけで、ダイナミクスが全然違ってくるんですよ。
惜しむらくは、各トラックに任意でSENDできるエフェクターが、内部のものを使うとなると1種類に限定されてしまうことです。基本的にリバーブは内部で掛けたいですから、結局それで終わっちゃうんですよね。普通、コーラスなりディレイなりもトラック毎にSENDレベルを設定したいじゃないですか。これ、メーカーサポートに問い合わせたんですが、2系統めが使えるのは外部エフェクトのみなんですと。ちょっと試してみたんですが、ちゃんと掛かっているのかよく判りませんでした…。なので、自分は仕方なく、もう録音時点で必要だと思われる(リバーブ以外の)エフェクトはもう音色側で掛けてしまっています。
あと、同じくエフェクトでいうと、ギター系のエフェクトのバリエーションがやや乏しいですね。歪ませる分にはいいんでしょうが、クリーントーンとかがあまりできなさそう。上述の2系統エフェクトおよびこのギター系エフェクトのバリエーションという点では、逆にR8の方が(あんな安価なのに)優れています。ことによっては、ギターについてはR8をエフェクター替わりに通して本機に録音したりもしています。
ともあれ、曲作り全体を通しての使い勝手、そして当たり前ですがトラック数によるクリエイティビティの制約がほぼないという点で、本機はマーベラスです。まぁ「ほぼない」といったのは、32トラックあればもっとストレスないだろうなと思わなくもないということですが、まぁ概ね問題ないですよ。ちなみに、本機で初めて作った曲が、このプログレフュージョン崩れですw

