本人は特にお金出してまで…と思っていた作品なのですが、同僚が「大人のための映画だ」と強烈にプッシュしていたのと、娘たちに「何か観たい映画ある?」と訊いたら「プリキュア」と返ってきたので、そりゃ勘弁してくれと思い強引に本作に連れて行った次第です。観る前は、別にわざわざ3Dにすることもねぇだろと思っていたのですが、タケコプターのリアル体験ができただけでこりゃもう3Dの価値ありだなと。4才の次女は、既にこの場面で「パパ、こわい…」とベソかいてました。すんげぇ迫力です。 毎年のようにやっているドラえもんのシリーズと違うのは、あちらがキャストや基本プロットを使った創作ストーリーなのに対して、本作は原作のエピソードをベースにしている点です。事前情報によると、原作にあった7本の話を再構成して作り上げたそうなんですが、この脚本が実に巧い。訴求ポイントは大きく2つあって、「のび太としずかちゃんの恋の行方」と「のび太とドラえもんの絆」なんですが、そのために原作のエピソードをほんっとに「美味しいとこ取り」してるんですね。後者に関しては、ネタバレするまでもなく、あの原作の6巻~7巻の一連のエピソ... Read More | Share it now!
『スプライス』
ヴィンチェンゾ・ナタリという監督をご存じでしょうか。その名前に聞き覚えがなくても、『CUBE』と聞いて「あぁ、あれか!」とピンと来る人はいるでしょう。それほど衝撃的な体験でしたし、冒頭のシーンは以降様々な作品でネタとして(ある意味「切り株系」のニューウェーブの出発点?)、そしてなによりあの作品から、「シチュエーションスリラー」なるジャンルが確立されたのではないかと、個人的には思っています。以降、滅多に劇場に行くことのない自分も、彼の作品だけはなるべくスクリーンで観るように努めてきました。しかし、本作に関しては存在を知るのが遅過ぎて、間に合わなかったのです。というか、比較的寡作の部類に入る彼ですが、デビューが衝撃的過ぎて、作品出す度にどんどん知名度が落ちて行ってるような気がするんですが…。 とある製薬会社のバックアップを受けながら、新薬の基となる素材の研究を進めるカップル。研究方針で会社との齟齬が判った時、彼らは秘密裏に「新種」の生産を進めようとする…。プロットとしては「ありそう」な感じなのですが、エイドリアン・ブロディ扮する彼氏と、サラ・ポーリー扮する彼女との、新種に対す... Read More | Share it now!
東野圭吾『嘘をもうひとつだけ』
偶然にも直前に読んだ長編で、犯人をじわりじわりと追い詰めた加賀恭一郎警部補を主人公とした短編集。乱暴な喩えをしてしまえば、愛想がなくやや事務的な刑事コロンボとでもいいましょうか。しかし、本作においてはその淡々とした態度が、犯人側の心の動きにダイナミックに影響しているようです。 短編集というと、普通は特に気負いもなく作者の得意とする世界観に身を委ねることになるのですが、加賀警部補が入ってくるとなると、そういうわけにはいきません、それで、ある程度姿勢を正した上で、はてこれはこれらはどういうテーマでまとめられた作品集なのかな…ということになります。読み進めるうちにすぐにそこは判るはずなんですが、背景のバリエーションに、作者の抽斗の多さを実感することになるでしょう。最初のエピソードを読んだ際に、この作品の「傾向と対策」的なものは自然と解るはずです。短編なので、話中の登場人物から早期に犯人を特定するのはかなり容易なのですが、本作においては犯人を推理することは全く以って目的とはなりません。人間が犯行に至る背景って、これだけバラエティに富んでるんだな…と感じ入ることができるというのが面白いと... Read More | Share it now!

